USBメモリでKNOPPIX v5.01を起動
USBメモリから1CD LinuxのKNOPPIX(クノーピクス)を起動させる手順です。
KNOPPIXは、ドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxベースに開発したCD-ROM1枚で起動するLinuxディストリビューションで、CD-ROMのみで起動するのでハードディスクにインストールすることなくLinux環境を構築することができます。
最近では、USBメモリが1Gバイトの容量のものでも3000円台で入手することが可能となっていますので、このKNOPPIXをUSBメモリからブートしようということです。
USBメモリからKNOPPIXを起動させるメリットは光学ドライブを持たないノートパソコン(さすがにデスクトップパソコンでCD-ROMドライブを持たないものはないと思う)でもLinuxを簡単に使用できること、KNOPPIXの起動時にCD-ROMドライブのアクセスする音や速度が気にならないことがありますね。筆者はCD-ROMドライブを持たないノートパソコンでパーティションの操作をする為にQTPartedを使うのに役立っています。もっともそんなに頻繁にパーティションの操作をするわけではないですが。
作成にはWindows XP上で行っています。実際に使用した環境およびファイルは以下になります。
- Windows XP を搭載したThinkPad X60s
- 2GバイトUSBメモリ(アイ・オー・データ機器):「ToteBag ST」シリーズ TB-ST2G/B
- KNOPPIX v5.01のisoファイル: knoppix_v5.01CD_20060606-20060614+IPAFont_AC200623.iso
- SYSLINUX :http://www.kernel.org/pub/linux/utils/boot/syslinux/
- DAEMON Tools :http://www.disc-tools.com/download/daemon
大まかな手順は、
- KNOPPIX v5.01のisoイメージファイルをダウンロードサイトからダウンロード
- DAEMON ToolsでダウンロードしたKNOPPIXのisoイメージファイルをマウント
- FAT32でフォーマットしたUSBメモリに必要なファイルをコピー&編集
- SYSLINUXをUSBメモリにインストール
といった具合です。isoイメージファイルのダウンロードは説明するまでもありませんので省きます。
KNOPPIX v5.01のisoイメージをマウント
使用するPCがCD-R/Wドライブを搭載しているのであれば、isoファイルをCDに焼けば良いのですが今回は光学ドライブを搭載していないThinkPad X60sを使っていますのでDAEMON Toolsでisoイメージファイルをマウントします。
DAEMON ToolsとはCD/DVD-ROMのイメージファイルを利用して、仮想のCD/DVD-ROMドライブを作成するツールです。
DAEMON Toolsをhttp://www.disc-tools.com/download/daemonからダウンロードしてインストールするとタスクバーに[Virtual DAEMON Manager]のアイコンが追加されていので、これを右クリックし、[Virtual CD/DVD-ROM] - [Device 0:[E:] No media] - [Mount image]をクリックします。インストール方法はDAEMON Toolsのインストールを参照。

するとイメージファイルを選択するウィンドウが開き、マウントするisoイメージファイルを選びます。
ここで、ファイルの種類を「All files (*.*)」と指定します。デフォルトでは「All images (iso,bwt,cdi,b5t,b6t,ccd,cue,mds,nrg,pdi)」となっていて、このままisoイメージファイルを選択してしまうと当然必要なファイルが選択されず、KNOPPIXが起動しませんので注意が必要です。ファイルの種類を「All files (*.*)」と指定し、isoイメージファイルを選択するとE:ドライブとしてマウントされます。
USBメモリにファイルをコピー&編集
- マウントしたKNOPPIXのドライブE:の/boot/isolinux以下のファイルをUSBメモリのルートディレクトリにコピー
- /KNOPPIXディレクトリをディレクトリごとUSBメモリにコピー
- コピーしたUSBメモリ内の/isolinux.cfgを/syslinux.cfgにリネーム
- リネームしたsyslinux.cfgをワードパッドで開いて、9行目の「F4 isolinux.cfg」を「F4 syslinux.cfg」に修正
SYSLINUXをUSBメモリにインストール
最後にSYSLINUXをUSBメモリにインストールします。
SYSLINUXはhttp://www.kernel.org/pub/linux/utils/boot/syslinux/から最新版のsyslinux-3.31.zipをダウンロードして適当なディレクトリに展開します。ここでは\Tempディレクトリに展開しました。その後、[スタート] - [ファイル名を指定して実行]から「\Temp\win32\syslinux.exe -a d:」 を入力して「OK」をクリックします。ここでd:はUSBメモリのドライブ名ですので環境に合わせて変更してください。

以上でUSBメモリから起動するKNOPPIXのでき上がりです。
USBメモリからKNOPPIX v5.01の起動
ThinkPad X60sに作成したUSBメモリを挿して電源を入れ、「ThinkPad」のロゴが表示されている間に「F12」を押すと[ 6: -USB HDD I-O DATE USB Flash Disk ]がブートメニューに追加されているので、それを選択してブートします。
ThinkPad X60sの場合、ブートオプションに何も指定せずに「Enter」を押すと画面の解像度が640x480となってしまいますので、起動時のブートオプションに以下のようにフレームバッファサイズを指定しましょう。
boot: fb1024x768