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BeagleBone Black DAC

もともと BBB ブリッジ基板を設計するときに BBB DAC の構想を考えていましたが Raspberry Pi DAC をすでにリリースしていたのでこれをそのまま使えるように今のような BBB ブリッジ基板を設計しました。そして AK4490/95 基板の場合は DAC 基板を他のトランスポート基板と接続ができるようにしたので BBB と接続するには BBB ブリッジ基板を使うようにしました。

推奨されるのは BBB ブリッジ基板、レジスタコントロール&アイソレーション基板そして外部電源の構成で、DAC を含めたアナログ回路と BBB とクロック生成する BBB ブリッジのデジタル回路を電気的に分離するこの構成はある意味理想的かなとは考えています(^^)。

しかしAK4490/95 基板をリリースした際、AK4490/95 の音は聴いてみたいけれど外部電源が必要だったり接続する基板が多く複雑そうということで敷居が高いというメールを多くの方からいただいていました。そして今回、 BBB DAC 基板を設計することでそのような声にこたえることができるようになったと思います。試作基板の製造依頼をしたちょうどそのころ、なんとたかじんさんが PCM5102A を搭載した B4-DAC を開発したということを知りました。たかじんさんが BBB DAC 基板を検討していたというのでなんだかうれしくなりましたね。

そんなこんなで試作した BBB DAC 基板の紹介です。コンセプトとしてはやはりはんだ付け不要で Raspi DAC 同様簡単にセットアップできることそして音にこだわることです。また DSD ネイティブ再生ができることですね。

設計したのは AK4495 基板と WM8741 基板です。WM8741 基板はこちらの記事で紹介していますが基板の頒布をしてほしいといったメールを複数の方からいただいていました。大分時間がたってしまいましたがようやく設計できることになりました。

2つの基板の共通の特徴としては DAC に供給する電源のコンデンサにはノイズ性能に優れ低 ESR の導電性高分子アルミニウム電解コンデンサ SP-Cap を使用しています。フィルタ回路には DSD-A4490/PCM-A4495 基板で採用した 3nV/√Hz という低ノイズ、高帯域のオペアンプ OPA2227 、コンデンサは誤差 2% の ECHU フィルムコンデンサそして抵抗は誤差 0.1% の薄膜抵抗を今回も採用しています。部品はコネクタ以外は全て表面実装部品としていますので改造等は難しくなってしまいました。

B3D-A4495 基板

B3D-A4495-01.jpg(65972 byte)

基板サイズは BBB と同じサイズ1枚に収めたいのでデジタル回路と DAC 回路をアイソレートすることはしていません。外部電源も不要です。BBB ブリッジ基板と AK4495 DAC 基板を1枚にした感じです。

BBB と AK4495 に供給するマスタークロックを生成する水晶発振器には BBB ブリッジ基板 Type-AK で採用している京セラの KC シリーズを使っています。周波数は 22.5792MHz と 24.5760MHz です。サイズが 2016 ですので他の水晶発振器に交換するのは厳しいですね。できないことはないですけど。

基板上には3つの LED インジケータがあります。青の LED は DSD 再生時に点灯し、緑の LED は PCM 音源の再生時に点灯するようにしています。黄色の LED は PCM 音源でサンプリング周波数が 96KHz 以上の時に点灯するようにしようとしていますが、CPLD の容量が足りない場合はこの LED のインジケータは使用しないことになります。しばらくエージングと評価をしなければならないのでその間に入るかどうかわかると思います。いい加減ですみません(^^)。

DSD-A4490/PCM-A4495 基板では外部のピンヘッダーとディップスイッチでデジタル入力フォーマットの選択、DSD サンプリングスピードコントロールといった設定が可能ですが B3D-A4495 基板ではデジタル入力を 32 ビット I2S 固定、DSD サンプリングスピードを 5.6MHz 固定として、ピンヘッダーで設定できるのはデジタルフィルタ特性等音質に関する項目のみとしています。

アッテネータ基板との接続用のコネクタを用意していますので ATT-A4490 基板が使えます。0dB 〜 -127dB まで 0.5dB 刻みで出力を増減させることができます。BBB のパワースイッチ(S3)とブートスイッチ(S2)を B3D-A4495 基板上のコネクタとピンヘッダーに接続していますので、BBB に B3D-A4495 基板を接続した状態でも BBB の電源の OFF/ON 制御やブートメディアの選択が可能です。これって結構便利ですよね。

アナログ出力はハーネスで接続するようにしています。リレーミュート付き RCA ピンジャック基板と同じ基板ですがミュート回路は実装していなく RCA ピンジャック端子のみの基板です。

B3D-A4495-02.jpg(63990 byte)

B3D-W8741 基板

I2S で接続した WM8741 ではその実力を再認識しました。すでに1年も経ってしまいましたが今回ようやくリリースすることになりました。今回の基板は前回のものとは大分変更して B3D-A4495 と同じように BBB ブリッジ基板と DAC 基板を1枚にした構成で基板サイズも BBB と同じです。マスタークロックを生成する水晶発振器は京セラの KC シリーズで周波数は 22.5792MHz と 24.5760MHz です。これも B3D-A4495 基板と同じですね。

基板上の CPLD はマスタークロックの切り替えや WM8741 とのインターフェースで必要となる信号の生成、サンプリング周波数の検出機能を実現しています。これによって PCM/DSD の切り替え、PCM モード時のサンプリング周波数に応じた再生が可能になります。

基板上の3つのLED のインジケータは、これも B3D-A4495 基板と同じ仕様です。こちらはもともとサンプリング周波数の検出機能は実装されているので 96kHz 以上で黄色の LED の点灯機能は問題ないでしょう。

WM8741 はデジタルフィルタレスポンスを3種類から選択できます。これは基板上の3ピンのヘッダーピンのオープン・ショートで行います。またディ・エンファシスのオン/オフ切り替えも3ピンのヘッダーピンで切り替え可能です。

3V リレーミュート付き RCA ジャック基板

2016年11月3日追記

B3D-W8741-05.jpg(34993 byte)

さて今回設計した B3D-W8741 基板は3V リレーミュート付き RCA 基板との接続ができるようにしました。オペアンプの電源が安定するまでの期間にでるボツ音、電源オフ時に DAC から出力されるノイズ(ジー音)対策の為に有効です。ということで、この 3V リレーミュート付き RCA ジャック基板は B3D-W8741 基板専用になります。基板間接続のための 3ピンのハーネスは他の基板との接続には使用できません。

頒布

ここで紹介した2種類の DAC 基板を頒布予定です。B3D-A4495 基板は現在エージングと評価中ですので早ければ9月の初旬にはリリースできると思います。B3D-W8741 基板は10月中のリリースになりそうです。

B3D-A4495 基板の頒布をネットショップで始めました。

2016年11月3日追記

予定より遅れてしまいましがB3D-W8741 基板の頒布を開始しました。(筆者は I2S 接続でまだまだ最新のチップとも勝負できると思っています)新しい? WM8741 の音を楽しんでください。

このページは2016年8月21日にはじめてアップされました。

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