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Qucs

Qucs(Quite Universal Circuit Simulator)はQtライブラリを用いて開発された、グラフィカルユーザインターフェースを持つフリーな電子回路シミュレータです。QucsはDC解析、AC解析、トランジェント解析の他、高周波回路設計に必要なS-parameterやHarmonic Balance解析が可能です。また、ディジタル回路シミュレーションとしてフリーのVHDLシミュレータであるFreeHDLを使っています。

Qucs のインストール

最新版をインストールしたい場合はソースからインストールすることになることが多くなるでしょう。必ずしも最新版でなくてもよい場合には各ディストリビューションで用意されているバイナリーパッケージからインストールすることもできます。

ソースからインストール

Qucsの最新版はQucs-0.0.16で、ソースパッケージのqucs-0.0.16.tar.gzはダウンロードページから入手できます。コンパイルにはg++のバージョン4.5以上が必要です。また、Qt3開発パッケージであるqt3-dev-toolsをインストールしておきましょう。

ダウンロードしたqucs-0.0.16.tar.gzを適当なディレクトリで展開します。以下の例ではダウンロードディレクトリにあるファイルをホームディレクトリに展開しています。

$ tar xvfz ダウンロード/qucs-0.0.16.tar.gz

ソースパッケージを展開すると qucs-version というディレクトリ(今回の場合は qucs-0.0.16)が作成されていますのでそのディレクトリに移動します。

$ cd qucs-0.0.16/

Configure スクリプトを実行します。

$ ./configure

コンパイルして、インストール。

$ make
$ sudo make install
[sudo] password for hoge: 

makeで以下のようなエラーがでました。

/usr/include/c++/4.6/tr1/complex:384:5: 備考: std::complex<typename __gnu_cxx::__promote<_Tp>::__type> std::tr1::conj(_Tp) [with _Tp = std::complex<double>, typename __gnu_cxx::__promote<_Tp>::__type = std::complex<double>]
spfile.cpp:443:58: エラー: オーバーロードされている ‘conj(std::complex<double>)’ の呼び出しが曖昧です
spfile.cpp:443:58: 備考: 候補:
/usr/include/c++/4.6/complex:669:5: 備考: std::complex<_Tp> std::conj(const std::complex<_Tp>&) [with _Tp = double]
/usr/include/c++/4.6/tr1/complex:379:5: 備考: std::complex<_Tp> std::tr1::conj(const std::complex<_Tp>&) [with _Tp = double]
/usr/include/c++/4.6/tr1/complex:384:5: 備考: std::complex<typename __gnu_cxx::__promote<_Tp>::__type> std::tr1::conj(_Tp) [with _Tp = std::complex<double>, typename __gnu_cxx::__promote<_Tp>::__type = std::complex<double>]
make[6]: *** [spfile.o] エラー 1

これは、/usr/include/c++/4.6/tr1をmakeが終わるまでコンパイラから見えなくすることで解決することができるということが、このスレッドにありました。具体的には

$ sudo mv /usr/include/c++/4.6/tr1 /usr/include/c++/4.6/.tr1

としています。これでmakeが通りました。そしてmakeが終了したら元に戻します。

FreeHDLをソースからインストール

QucsはデジタルシミュレーションにGPL準拠したオープンソースのVHDLシミュレータであるFreeHDLを使用しているので、デジタルシミュレーションを実行する為にFreeHDLをインストールします。

ソースパッケージfreehdl-0.0.7.tar.gzをFreeHDLのホームページから入手して、以下を実行します。

$ tar xvfz ダウンロード/freehdl-0.0.7.tar.gz
$ cd ダウンロード/freehdl-0.0.7
$ ./configure
$ make
$ sudo make install
[sudo] password for hoge: 

バイナリーパッケージからインストール

Red Hat系のディストリビューションでは yum コマンドでインストールします。以下は Feodra 16 での実行例です。

$ su
パスワード:
# yum -y install qucs freehdl

インストールされるバージョンはqucs-0.0.16、freehdl-0.0.8です。

Debian系のディストリビューションでは apt-get コマンドでインストールします。以下 Ubuntu 11.10 での実行例です。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install qucs freehdl

インストールされるバージョンはqucs-0.0.15、freehdl-0.0.7です。

Qucs の起動

Qucs の起動は端末から

$ qucs &

とするか、Ubuntu 11.10 では Dash の検索ボックスで「qucs」と入力すると検索される Qucs アイコンをクリックします。

Qucsの日本語化

Qucsを日本語化します。

日本語の設定にするには、メニューから[File] - [Application Settings...]を選択し、「Language (set after reload):」でJapanese、「Font (set after reload):」でTako P ゴシックを選択しています。再起動すると日本語化されています。こんな感じ。

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