Linux Computing
  1. ホーム
  2. フリスクケースにぴったり収まる!高音質設計 USB DAC 基板

フリスクケースにぴったり収まる!高音質設計 USB DAC 基板

TI バーブラウン製 DA コンバータ PC2704 を使った USB DAC 基板の第三弾になります。

これまでの2つの基板は USB メモリサイズにこだわりチップ部品を採用しました。その為、音質部品に変更することも難しいので今回はできる限りリード部品を使うことにします。

といっても、小さくて高音質な USB DAC というコンセプトは維持したいのであまり大きくしたくはありません。また、基板がむき出しというのは赴きもありますが、やはりそれなりにケースもあったほうが良いのも確かです。

そこで、ネットでも良く事例があるフリスクのケースを使えるように、ぴったりサイズに設計することにします。フリスクケース収めればフリスクオリジナルのケース以外でもデコレーション用のケースもネットで入手可能なので、USB DAC の”音”以外でもいろいろ楽しむことができます。

とういうことで、基板サイズはこのフリスクのケースに収まるサイズにしました。作成した基板は USB インターフェースに USB mini-B コネクタを実装したタイプと USB A(オス) コネクタを実装したタイプの2種類です。

usbdac-frisk-YL300.jpg(7470 byte)
USB Mini-Bコネクタを使用したタイプ
usbdac-frisk-BK300.jpg(7557 byte)
USB A(オス)コネクタを使用したタイプ

主な仕様

主な仕様は以下になります。

項目 仕様 備考
基板寸法 27.5mm x 66.5mm x 1.0mm
外形寸法 27.5mm x 67.5mm x 8.0mm
DA コンバーター PCM2704DB テキサス・インスツルメンツ(TI)
サンプリング周波数 32kHz/44.1kHz/48kHz
分解能 16bit
入力 I/F USB 1.1 USB mini-B タイプコネクタ
出力 I/F ヘッドホン/ライン Φ3.5mm ステレオミニジャック
電源 バスパワー(5V 250mA)

回路図

PCM2704に供給するクロックは水晶発振子と温度補償型水晶発振器(TCXO)の両方が実装できるようにパターン設計しています。デフォルトでは水晶発振子を実装とし、TCXO とその電源のパスコン(0.1uF)およびクロック出力のダンピング抵抗(22Ω)を未実装としています。

さらにPCM2704に供給する電源は LDO リニアレギュレータで生成して安定化を図り、デジタル電源(Vdd)とアナログ電源(AVcc)は LC フィルタで分離しています。

usbdac-frisk_schem.jpg(36478 byte)

部品表

LDO リニアレギュレータには、ローノイズ、高リップル除去比を実現したという新日本無線の NJM2845 を採用しています。また、アナログ出力のフィルタ回路には NISSEI の積層形メタライズド・ポリエステル・フィルム・コンデンサ MMT を採用しています。

デバイス名 型名 定数 定格 リファレンス番号
プリント基板 USBDAC-FRISK
DAコンバーター PCM2704DBR - - IC1
LDO NJM2845DL1-33 - - IC2
LED L-2060HD - D1
USB mini-B コネクタ UX60SC-MB-5ST - CN1
ステレオミニジャック ST-005 - CN2
ポリスイッチ RXEF025 - 250mA F1
マイクロインダクタ AL0307 1R0K 1uH - L1,L2
炭素皮膜抵抗器 RD16S 1M 1MΩ 1/6W,±5% R2,R6
炭素皮膜抵抗器 RD16S 1K5 1.5kΩ 1/6W,±5% R1,R5,R13,R16
炭素皮膜抵抗器 RD16S 3K3 3.3kΩ 1/6W,±5% R9,R10,R11,R12
炭素皮膜抵抗器 RD25SJ 15Ω 15Ω 1/4W,±5% R7,R8
炭素皮膜抵抗器 RD25SJ 22Ω 22Ω 1/4W,±5% R3,R4,R15
積層セラミックコンデンサ FK28Y5V1H04ZN006 0.1uF 50V,+80/-20% C1,C5
積層セラミックコンデンサ RD15N220J1HH5L 22pF 50V,±5% C4,C6
積層セラミックコンデンサ RDER71H105K2K1C03B 1uF 50V,±10% C7,C8,C9
積層セラミックコンデンサ RDEC71E106K2K1C03B 10uF 25V,±10% C15,C16
積層フィルムコンデンサ NISSEI MMT 0.022uF 50V,±5% C11,C12
アルミ電解コンデンサ UMA1C100MDD 10uF 16V,±20% C2,C3,C10
アルミ電解コンデンサ UMA1C101MDD 100uF 16V,±20% C13,C14
水晶発振子 12MHz X1

基板の概観

フリスクサイズUSB DAC基板の概観と主要デバイスです。

フリスクサイズUSB DAC基板の概観

使用方法

動作の確認は Linux (Ubuntu 12.10)、Windows XP/Vista/7 で確認しています。また、参考として iPad 2 での動作も確認しています。

Linux

Ubuntu 12.10 で確認しています。PC の USB コネクタに直接挿入し、「システム設定」-「サウンド」に追加されている「アナログ出力 USB Audio DAC」を選択することで使用可能になります。

ubuntu-usbdac-sound.jpg(22857 byte)

Windows Vista/7

PC の USB コネクタに直接挿入することで、ドライバがインストールされて使用することが可能になります。デバイスマネージャーでは「USB Audio DAC」として認識されます。コントロールパネルの「ハードウェアとサウンド」-「サウンド」で再生デバイスとしてスピーカーUSB Audio DACが追加されていることが確認できます。

usbdac-sound.jpg(39758 byte)

Windows XP

PC の USB コネクタに直接挿入することで、ドライバがインストールされて使用することが可能になります。デバイスマネージャーでは「USB オーディオ デバイス」として認識されます。コントロールパネルの「サウンドとオーディオデバイス」のプロパティ「オーディオ」タブの音の再生に「USB Audio DAC」が追加されていることが確認できます。

usbdac-driver-xp.jpg(59851 byte)

フリスクケースの加工

基板を収めるフリスクのケースを加工します。加工するにあたっては手作業ですので、さほど精度は期待しませんしその必要もないでしょう。

用意するもの

まずはカッターナイフです。最悪これだけでも何とかなります。

フリスクケースの加工に使うツール

丸孔を開けるにはテーパーリーマーというツールが便利です。開ける孔径によっていくつかの種類がありますが、筆者は、孔開範囲3〜12φのもので「エンジニア テーパーリーマー TR-01」を購入しました。

そして、テーパーリーマーを使う為に小さい孔を開けるのにキリまたはピンバイス を使います。筆者は百均で2φと2.5φの2本一組のピンバイスを購入しました。

また、カット後の断面を滑らかにしたり、寸法の微調整のためにダイヤモンドヤスリなどを使います。これも百均で購入しています。

その他ラジオペンチがあると良いかもしれません。

加工方法

加工にはカッターナイフを使いますので、使用にあたっては怪我のないよう十分な注意が必要です。

フリスクケースの加工法

実際の加工方法ですが、まず始めにフリスクケースの内側にある仕切りをなくします。カッターナイフで黒い線の部分に切れ込みを入れ、青い線の部分はキズを入れます(これは必要ないかも)。そして、ラジオペンチなどでパキッと折ります。折った後はカッターナイフで壁、底とも凸部がなくなるように削ります。基板のサイズがフリスクケースの内側寸法に対し、余裕がないので凸部があると入らなくなる可能性があります。(@)

同様にしてUSBコネクタ用に四角の切り欠きを開けますが、カッターナイフで切った後はダイヤモンドヤスリでバリを削ったり寸法の微調整をします。(A)

ステレオミニジャック用の孔を開けます。孔を開ける位置にピンバイスで2.5φの孔を開け、テーパーリーマーをその孔に差し込んでグリグリという感じで孔径が5〜6φ程度になるまで押すように回転させます。(B)

こんな感じで出来上がります。(C)

頒布

このページで紹介した基板をLINUXCOMネットショップ Yahoo!店で販売しています。もし、「いいかも!」と思われた方は以下のリンク先まで。

usbdac_itaru-01.jpg(39022 byte)

3D プリント出力ケース

ケースの加工が面倒という人のために基板を収納するケース(底)の 3D データを作成して DMM.COM のクリエーターズマーケットに出品しました。フリスクケースの底と同サイズですのでフリスクの蓋をそのまま使用することができます。造形する素材はアクリル樹脂、ナイロン(ポリアミド)から選択できます。以下のサンプルは USB A コネクタタイプ用で、アクリル樹脂によるものです。購入には無料会員登録が必要です。なお、DMM.COM は国内の他の 3D プリント出力サービス会社よりもかなり低価格になっていますが、正直高いです。<(_ _)>

USB Aコネクタタイプ用ケースです。

UDF-2000A_bottom_640-9.jpg(19280 byte)

USB DAC基板 UDF-1100Aを収めた状態。

UDF-2000A_bottom_640-7.jpg(34346 byte)
UDF-2000A_bottom_640-6.jpg(34045 byte)

フリスクのケースをかぶせた状態。ピッタリ!!

UDF-2000A_bottom_640-8.jpg(25001 byte)
UDF-2000A_bottom_640-5.jpg(35631 byte)
目次
PR
コンテンツ
最近のトピック
週間アクセスランキング
デル株式会社
Copyright (C) 2018 Linux Computing All rights reserved