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PLCアダプタを導入してみた!!

パナソニックが2006年12月に発売したPLC(Power Line Communication)アダプタースタートパックBL-PA100KT」を購入しました。その使用感と通信速度の検証を我が家で実験したのでそのレポートです。

いまさらながらですが、PLCアダプターとは家庭内に施設されている電力線をLANケーブルのようにネットワークの媒体としてデータ通信を行うHD-PLC(高速電力線通信)を提供する為の専用のアダプターです。つまり、新たにLANケーブルを引くことなく家庭内のどの部屋(もちろんコンセントがある部屋ですが)ともネットワーク接続できることになります(実際にはどこでもというわけにはいかないようですが)。

そもそも家庭内LANであれば無線LANを導入すれば新たにLANケーブルを引かなくても良く、PLCと同様なことは実現できます。ところが、我が家では1階に無線LANアダプターを設置しており(光ケーブルの引き込みが1階であるため)子供部屋のある3階には無線の電波がある特定の場所にかろうじて届くといった状況で使い物にならないためHD-PLCの導入を検討したのです。つまり、PCLアダプターを使って2階に無線LANのアクセスポイントを置いて、無線で1階から3階までカバーしようというのが導入目的です。

PLCアダプターの設置

PLCアダプターの設置は、マスターアダプターのモード切替スイッチがMASTER側に、ターミナルアダプターのモード切替スイッチがTERMINAL側になっていることを確認して、電源プラグを同じ電源コンセントに差込みます。そして以下の手順でマスターアダプターにターミナルアダプターを登録します。

  1. ターミナルアダプターのCLEAR SETTINGボタンを細い棒のようなもので約3秒間押して初期化する
  2. マスターアダプターのSETUPボタンを約1秒間押す
  3. 2の後、5秒以内にターミナルアダプターのSETUPボタンを約1秒間押す(ターミナルアダプターのPLCインジケータが青色に点滅する)
  4. 登録完了するとPLCインジケータが青色点灯に変わる
PLCアダプターの登録

ターミナルアダプターの登録後はPLCアダプターをコンセントから抜いて、使用したい場所に設置することになります。

HD-PLCの接続検証

HD-PLCの理論上の最高通信速度は190Mbpsで実際の最高通信速度はTCPで55Mbpsとなっています。もちろん使用環境によって変わってくるわけですが、そこで我が家での通信速度の測定をしてみましょう。

我が家は築10年の3階建てで、1階に1部屋、2階に2部屋、3階に2部屋となっており、一つの分電盤で各部屋や廊下にあるコンセントに分電されている。

測定環境としては、FTTHのモデムに繋がるルータとしてFedora Core 1で構築しているPC(ホスト名:FC1)でFTPサーバを稼動させているのでこのサーバにマスターアダプターをLANケーブルで接続し、FTPでの転送速度を測定します。転送用には約100Mバイトのファイルを用いています。また、ターミナルアダプターに接続するマシンはFedora Core 6をインストールしたThinkPad X60sで、FTPクライアントとしてgFTPを使用しています。

測定は以下の条件で行いました。

  1. テーブルタップの隣り合わせのコンセントにマスターアダプターとターミナルアダプターの電源プラグを挿した状態
  2. 1の条件で通常使っているデスクトップパソコンの電源、ノートパソコンやUSBハブの電源アダプタ、携帯電話の充電器の電源プラグを挿した状態
  3. 2の条件で、マスターアダプタとFTPサーバ(FC1)を10/100Mのスイッチングハブ経由で接続
  4. 3の状態で、同じ部屋の対角のコンセントにターミナルアダプターの電源プラグを挿した状態
  5. 3の条件で2階の部屋の壁コンセントにターミナルアダプターの電源プラグを挿した状態
  6. 3の条件で3階の部屋の壁コンセントのターミナルアダプターの電源プラグを挿した状態
PCLアダプターの設置状態

測定結果を以下に示します。尚、データは各条件で5回づつ計測し、最大値、最小値を除く3回の平均値とています。

測定条件 転送速度
1 55.40Mbps
2 31.63Mbps
3 32.35Mbps
4 20.16Mbps
5 6.16Mbps
6 接続不可

結果をみると、隣あわせのコンセントでの理想的な環境では、理論値の190Mbpsには当然およびませんが、説明書に記載されている仕様とほぼ同等の結果がでています。しかし、現在いつも使用している機器の電源プラグを同じテーブルタップに挿しただけで、60%弱の通信速度に落ちてしまいました。いつもはこの状態で使用しているので、これ以上の通信速度は望めないことになります。

10/100Mスイッチングハブを接続した場合での結果はほぼ同等ですので、スイッチングハブの影響はないといえるでしょう。

同じ部屋の対角にあるコンセントにターミナルアダプターの電源プラグを挿した時の通信速度は20.16Mbpsと仕様に記載された規格値の半分以下となっています。壁2面分ですので距離にして約7〜8mというところでしょうか。これだけの距離の隔たりで転送速度に10Mbpsの差が生じていることになります。ここまでは分電盤からは同じ配線で分電されている環境です。

次に2階の部屋での実測値ですが、転送速度は6.16Mbpsまで落ちています。分電盤までの距離とさらに分電盤から2階までの距離で20m位にはなるでしょうか。距離の問題なのか分電盤を経由することが原因なのかわかりませんが、理想的な環境から比べると10分の1の転送速度にまで落ちています。現在、802.11bの無線LAN接続で同様に測定すると約4.85Mbpsですので、802.11bよりかろうじて早い程度になっています。 また、2階の同じ部屋であっても壁のコンセントによっては接続できない場所がありました。

3階での実験では、どのコンセントにターミナルアダプターの電源プラグを挿しても、LAN接続することができませんでした。2階以上にマスターアダプターからの距離は離れているわけですが全く接続できないのは期待はずれというより、これでいいの?という感じです。

PLCアダプターBL-PA100KTの使用感

PLCのうたい文句として「設定の手軽さ、高度なセキュリティ対策そして高速データ通信」とPanasonicのサイトではあげています。

PLCアダプターはパソコンを使うこともなく、当然ドライバのインストールやセキュリティの設定も意識することなく電源プラグをコンセントに挿してボタンを押すだけで登録が可能でまた、一度登録すればどこでも手軽に設置できることは非常に使い勝手が良いです。セキュリティについてもAES128bit暗号技術を採用しているので当初の無線LANに比べても安全性が高いでしょう。

ただし高速データ通信というのはどうでしょう。すくなくても、我が家で通常つかっている環境、たぶん他の家庭環境でも大差はないと思いますが、では映像や音楽のストリーミングなんてのは無理でしょう。また設置場所について、コンセントの場所によってはネットワークが接続できない状況もあり、場所を選んで設置する必要があり注意が必要になります。

この点についてアイ・オー・データは、PLCアダプターPLC-ET/M-S発売記念としてサポートダイヤルに相談しても万が一つながらなかった場合は購入代金を返金するとうい「PLC AAAキャンペーン」というのを実施しているということで、HD-PLCの実情にあった対応方法だと思われます。

これらのことから購入の際には十分検討する必要がありますね。我が家の場合はもともと無線LANで届きにくいところをカバーするという目的が明確だった(通信速度はあまり要求していない)のでよしとしますが。

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